「うおっ、重量級。」 「ムードぶち壊すな!」 「ムードなんか最初からねぇもん。」 「確かに。」 遥の胸のなかで笑う。 遥の背中に両手を回し、ぎゅーってした。 それに応えて、 遥も私の髪を優しく撫でてくれる。 あったかいな。 ここが…… 私のイバショ。 私のカレシ。 すっかり日が短くなって、 辺りは暗くなり始めていた。 16歳の誕生日、 きれいなきれいな嘘の幸せ。