「高槻棗」 ゆっくりと口を開いたなっちゃんが、自分の名前を述べた。 自己紹介、と言ってもちゃんとした自己紹介をしたのは一輝さんくらいじゃないか。 そう思ってため息をつけば、なっちゃんは不思議そうに私を見つめた。 「さつきちゃん」 「はい」 「今日はもう、帰ってもいいよ」 「わかった。じゃ、お先に」 相沢さんにそう言われ、ぺこり、と頭を下げて生徒会室をあとにした。