兄貴がミカエルになるとき

「アゴアシ付きでミュージカル付きならオッケーよ。でも咲季はまだ中学生だから、連休の時じゃないと難しいわね」

「ノー・プロブレン。ちょうどすぐにゴールデンウィークがやってくる」

リチャードの顔にも笑顔が広がった。

「それならいいわ」

「決まりだね」

「すごいわねー、咲季もそのうちスーパーモデルねー」

エイプリフールなので、話は遠慮なく大きくなっていく。

「う、うん。私、背が大きくてよかったよ」

私も調子に乗って話を合わせた。

しかしこのあと、
「まさか勘違いとかしてないと思うけど、エイプリルフールの嘘じゃないからね。約束したよ。あー、本当に一件落着。よかった、よかった」というリチャードの言葉で、玄関はまた一瞬にして静まり返った。