兄貴がミカエルになるとき

いえ、いえ、いえ、いえ。

ママは声を出すのも忘れたように、無言で首を3回振った。

けれどリチャードは引かない。

動物的なカンで何かがひらめいたそうで、私にモデルのオーディションを受けてくれと説得する。

何も知らない、ただ背が高いだけの中学生にモデルの誘いがくるなんて。

それもアメリカのトップブランドらしい。

無茶にもほどがある。

玄関がシンと静まり返った。