兄貴がミカエルになるとき

「どういうわけかトオ兄のことばっか自慢して終わった」

「最初だけじゃなく?」

「どういうこと?」

「2人がサンマルクで会っていたけど、咲季は俺の話をしてたって、さっき幸男が教えてくれた」

やっぱりそうか。

トオ兄ファンの幸ちゃんは改札に入ったと見せかけて、サンマルクに戻って少しの間私たちを偵察し、いち早くトオ兄に報告していたわけだ。

だからあんなにニヤニヤしてたんだ。

「俺の話ばかりじゃ彼はがっかりだな。俺としては嬉しいけど」

「妹に自慢されると嬉しい?」

「そりゃ嬉しい」

「『希沙良さんはお兄さんのことが大好きなんだね』って。ブラコンだと思って、ドン引きされてるかもしれない」