兄貴がミカエルになるとき

「じゃあ、続きはまた明日。トオルさん、有難う」

幸ちゃんは三品君との会話についてしつこく聞いてきた割にはその答えに実は大して興味もなかったように、さっさと車を降りてまるで武家屋敷のような大きな木の門をくぐっていった。

この先には門構えにぴったりの純和風の庭園が続くが、その先に現れるのは超近代的な邸宅だ。

門と庭園はおじさんの、邸宅はおばさんの趣味なのだが、初めて訪れた人はこのミスマッチ度に、ひどく驚く。

私は後部座席から助手席に移り、この話の流れのまま早いうちトオ兄に報告しておこうと、話を続けた。

「あのさあ、今日三品君と学校の近くのサンマルクでお茶したんだんだけど」

「そうか」

本当にやけに今日は反応が薄い。昨日とは大違いだ。ほっとしながら報告を続けた。