兄貴がミカエルになるとき

三品君の話を聞いてトオ兄って凄いんだなあと思ったら、自慢したくなった。

でもトオ兄にまで関心を持たれては面倒なことになる。

そう考えてぐっとこらえる。

ああ、でも自慢したい、したい。

コーヒーカップを口元に運び、カフェ・ラテを一口すする。

カップをテーブルに置く。

とうとう我慢がきかずに「うちの兄貴もTOEFL受けたよ」と口に出してしまった。

でも三品君は「そうなんだ」と言っただけだった。

TOEFLを受ける学生なんてありふれているし、自分とは目指すレベルが違うと思っているのか、まるで興味はないといった風に。

その様子に余計触発される。

聞いてよ、その先を。ここからがトオ兄のありふれていないとこなんだから、と心の中でつぶやく。

ここまできたら言いたい。

自慢したい。

だから「そう、ハーバードに行く気だったみたい」と付け足してしまった。