兄貴がミカエルになるとき

「もし仲良くなれなかったら?」

「そしたら今の学園生活に興味のあることがなくなるわけだから、高校の途中から留学しちゃおうかなあ」

外国で学ぶことについての価値をしっかり捉えて留学を考えているのに、なんでそこに私の存在を挟み込んじゃうんだろう。

留学の進路と私と仲良くなることを同ラインで考えるとこがずれていると思うのだけど、彼の中ではすんなり融合しているらしい。

三品君の思考回路はちょっと不思議。

私の変人リストに入っいるのはトオ兄、リチャードだけだったけど、どうやら三品君も第三の変太郎にリストアップされそうだ。

それにしても、もうすぐ期末テストだというのにTOEFLの勉強までしているなんて。

「期末の勉強もあるし、勉強ばかりで大変だね」

目の前に開かれているTOEFLの参考書にはラインマーカーではなく黒のボールペンでラインがいくつも引かれていた。

「期末試験の勉強は特にしないけどね」

冗談かと思って「余裕だね」と茶化したつもりが、「うん、わりと優秀なんだよ、僕」と、フツーに返された。

本当に彼にとって期末試験は大したことではなく、余裕のようだ。