兄貴がミカエルになるとき

5時限目が終わり、幸ちゃんと一緒に学校を出た。

美奈ちゃんは例の憧れの家庭教師が今日は早めに来るそうで、終了のベルが鳴りやまないうちに教室を走って出て行った。

普段せかせかした姿を見ることのない美奈ちゃんが走って家に帰るとは、どんだけ素敵な家庭教師なのだろう。

幸ちゃんも興味津々で、近いうちに偵察に行こうと決めている。

駅まで歩く間に、三品君とサンマルクで会うことを伝えた。

「え? それって付き合ってるわけじゃないよね?」

幸ちゃんは予想以上に驚いた顔をして立ち止まった。

「付き合い始めたの」と言うと、「えーーー!」と道の真ん中で大声を上げた。

そのびっくり度にびっくりしてすぐに「友達として」と訂正すると、「勘弁してよ」と、すれた様子で私を睨んだが、その後はあっさり「じゃあ後で話を聞かせてね」と言って、改札の中に消えていった。