兄貴がミカエルになるとき

「うーん、確かにチョットうさんくさい偶然。ハリウッドの息子がシャイラに興味を持つ、まではわかるけどね。でもさ、現実は小説より奇なり、っていうからさ」

「て、言うからさ」って、不幸中の幸いとか現実は小説より奇なりとか、いったいリチャードはこんなことわざをどこで覚えてくるのだろう。

「で、その彼とは今どんな関係なの?」

どうやらトオ兄がこれまでのいきさつを話しているようだ。

「メールとか電話で話すくらい」

「ふうん」とつまらなそうに口をすぼませ、リチャードはまたギーコギーコと椅子を揺らし始めた。

「どれくらいの割合で?」

「一日おきくらいにメールがくる」

「電話は?」

今度はティムさんが聞いてくる。

「かけてこない」

「電話だとやっぱり緊張するのかしら? で、どんなメール?」

根掘り葉掘り、近所のうわさ好きのおばちゃんたちみたいだ。といってもうちの近所にはこんなにあからさまに人の話に首を突っ込んでくるおばちゃんはいないけど。