兄貴がミカエルになるとき

「ねえ、私と友達になって何したいの?」

「ただ話がしたいだけ。同じ本を読む女の子がどんな人なのか知りたいだけだよ。それでもしかして気が合わなかったら会うこともなくなるかもしれないし。君の言うとおり、まずは一緒に時間を過ごさなくちゃわからないじゃん」

「わかった。でも習い事やらいろんな用事で、実はこう見えて時間があまりないの。とりあえずメールや電話で話すっていうのでいいかな」

「いいよ」

とりあえずね、と、復唱して三品君はにっこり笑った。

ちょうど車は駅に到着するところで、私は三品君とメールアドレスと携帯の電話番号を交換して車を降りた。

駅で待っていてくれたはずの幸ちゃんの姿はなかった。

電話してみるとピアノのレッスンがあったので、トオ兄に断って家に帰ったそうだ。

なんで私じゃなくてトオ兄に連絡するんだか。