兄貴がミカエルになるとき

「すごいや。蝦蟇の油は父さんに無理やり勧められていなかったら読まなかったし、こっちの本もほかにこういうの読んでる奴いないよな、みたいな好奇心で選んだんだけど、いたんだね」

三品君の目が、何か変わった生き物を見つけた少年のようにキラキラ輝いている。

多分彼は夏の日に、最近ではめっきり少なくなったミヤマクワガタを見つけてもこんな顔をするのだろう。

珍しいものを見たときの好奇心と興味を素直に出しちゃった顔。

「私もお兄ちゃんに勧められたの」

「へえー、クールだなあ、お兄さん」

何がクールなのかわからないけど、三品君はやたら感激して顔だけではなく体ごとこちらに乗り出してきた。

女の子と体を接近することに何の違和感も覚えないらしい。

こっちがドキッとしていることなどお構いなしだ。