兄貴がミカエルになるとき

それから本当に三品君は私の前に姿を現さなかった。

幸っちゃんは私のガード役および三品君の隠れファンとして、できる限り一緒に帰ってくれた。

校門を毎日出るたびにあたりを見回し「よし、オッケー」と言いながらも、なんだか残念そうだった。

幸っちゃんと三品君がくっついてくれればいいのに、と思いながらも、でも幸っちゃんは幸男で戸籍は男だから、仲良くなればなったでまたいろんな問題があるよね、とため息が出る。

秘密を持つということは、面倒でやっかいなことなのだ。


10十月に入り、つい最近まで残暑、残暑と暑がっていたのが嘘のように肌寒くなった。

すうっと息を吸うと、ひんやりとした空気が肺を満たす。

私の苦手な季節。

押し寄せた波が開放感やとかドキドキやワクワクを包みこんで一気に引いてしまうような寂しさと、気温とともに、みんなの熱もすっと下げてしまうようなつまらなさ。

うちでは暑がりのパパとモンモンだけが秋の訪れを喜んでいた。