「俺がどこから来たか知りたい?」
そう言いながらトオ兄は、もう一口シャーベットを掬ってくれた。
それを又口に含んで「別に話したくなければいいよ。トオ兄はトオ兄だし」と答えたものの、本当は気になっていた。そして、今聞いておかなければ、ずっと気になることもわかっていた。
でも、トオ兄は私が生まれるずっと前から季咲良家の家族なのに、私がトオ兄に「どこから来たの?」と尋ねるのは変だと思った。
「ママが昔、ニューヨークにいたことがあるのは知ってるよな?」
それは知っている。
大学を出て就職し、その3年後にどうしてもアメリカで生活してみたくてニューヨークに行ったということだ。
リチャードもその頃の友人だ。
「でも最初はロスにいたんだ。高校時代からの親友と一緒にロスの大学に1年間の短期留学をして、そのあとママはすぐに日系の会社で働きはじめた。親友はロスで知り合った男と付き合ってすぐに子供ができて結婚した。そのママの親友が、俺を生んだ母さんだ。最初は幸せな家族だったけど、俺の最後の記憶に残っているのはジャンキーでアル中の父親と、その父親に怯える母親、そしてそんな家庭を憎んでいた子供の自分だ」
そう言いながらトオ兄は、もう一口シャーベットを掬ってくれた。
それを又口に含んで「別に話したくなければいいよ。トオ兄はトオ兄だし」と答えたものの、本当は気になっていた。そして、今聞いておかなければ、ずっと気になることもわかっていた。
でも、トオ兄は私が生まれるずっと前から季咲良家の家族なのに、私がトオ兄に「どこから来たの?」と尋ねるのは変だと思った。
「ママが昔、ニューヨークにいたことがあるのは知ってるよな?」
それは知っている。
大学を出て就職し、その3年後にどうしてもアメリカで生活してみたくてニューヨークに行ったということだ。
リチャードもその頃の友人だ。
「でも最初はロスにいたんだ。高校時代からの親友と一緒にロスの大学に1年間の短期留学をして、そのあとママはすぐに日系の会社で働きはじめた。親友はロスで知り合った男と付き合ってすぐに子供ができて結婚した。そのママの親友が、俺を生んだ母さんだ。最初は幸せな家族だったけど、俺の最後の記憶に残っているのはジャンキーでアル中の父親と、その父親に怯える母親、そしてそんな家庭を憎んでいた子供の自分だ」


