アハハハ、とまたもリチャードが喉を反らして笑う。
「それくらい言ったっていいじゃないか。僕はアキを君たちのパパに持ってかれちゃったんだからさ。咲季だってこれくらいの冗談、驚かないよね」
いや、かなり驚いた。
ついに真相が目の前のおっさんから気楽に語られてしまったかと思って、マジびっくりした。
「でもさ、」、とリチャードが、打って変わってしんみり続けた。
「僕とアキはずっと友達で、君たちのことも子供の頃から見てるから、なんだかもう父親みたいな気がしてさあ」
自分のビールが空になったリチャードは、今度は勝手にトオ兄のビールを一口飲んだ。
どうやらリチャードがトオ兄の本当の父親だという説はないようだ。


