「ほらー、南。飲め!」

「寝る!!」


袴田君はなぜにそんなに私に酒を飲ませたいのか。

私はものすごくお酒が弱いような女の子みたいに可愛くないからさ、そんな一口のんで、ふら
ふら―なんてならないんだよー。


「もー、南はそんなに寝たいのか?」

「うん!!」


ものすごい満面の笑みで答えてあげました。

私の今の眠気には何も勝てないのです!!


「あー、ま、寝ていいよ。そのかわり、南が寝たら俺何するかわからないからなー」


かるーくそういう袴田君。

何するかわからないってどういうことですか。

寝込みを襲うとか犯罪だかんな。


「…何かしたら、別れる」


私の眠りを邪魔する奴は許せないのだからな。


「まー、南は寝な。明日休みだろ?」

「…休みですけど」

「俺も休みだから、どっか行くか」

「えー、寝たい」

「…まー、明日になったら考えるから」


そういいながら、袴田君はビールの2本目を飲み始める。

どうやら、袴田君はまだ寝ないみたい。

だって、まだ夜の9時。

普通の大人からすれば確実にまだ寝ない時間帯だろうしね。