「南さー」
「ん?」
「俺、連絡してって言ったよね」
「…?」
「まさか、覚えてない?卒業アルバムに書いたんだけど」
「あー、あれ」
「俺、本気だったんだけど。」
……確かに、卒業アルバムに書いてあった。
今思い出した。
「でも、また、同窓会でって書いてあった」
「まー、それも書いた」
真っ暗な夜空を見ながら、しゃべる袴田君。
その横はなんだか悲しげ。
…何がそんなに悲しいのか。
「で、なんで、南は連絡くれなかった?」
「冗談かと」
「…南もずいぶんとひどいよね」
「だってさー」
本気で商談だと思ってた。
だってさ、卒業アルバムだなんて、そんなもんだと思ってた。
…袴田君はホントに。
本気で、あれを書いたのか?
でも、だとしたら、なんで、私に連絡してほしかったんだろう。
私には全く見当がつかない

