それから数時間。
一日はあっという間に過ぎてしまう。

もう仕事かぁ…。
スーツを着た自分の姿を鏡がうつし、それを見てしまった瞬間から憂鬱。
別に仕事が嫌いな訳ではない。
仲の良い人だっているし。
でも最近肩凝りだとか腰痛だとか酷くなってきて、嫌でも自分の年齢を痛感してしまう。
やっぱり、二十代前半と後半って違うのよね。
これから三十代に突入してしまうけど…アラフォーなんかになったらもっと現実を知っちゃうのかしら。

仕事場に行く=現実を知る。
私の中で、勝手にそう決まってしまっていた。

今日は髪型も服装もきちんと整え、朝食も一応食べた。
朝は時間がないし、あまり朝は食欲がないからほんの少しだけ。
一昨日の夜、仕事帰りに買っておいた甘すぎない程度の菓子パンを半分くらいだけかじり、残り半分は袋に入れて菓子パンを入れているかごの中に落とした。

歯磨きをして、ミントのガムを口に入れる。
これで準備は完璧。

私は玄関で靴を履き、重い足を引きずるように、職場へ向かった。