やさしい悪魔




「はい。うん……」


カーテンの向こうで話している。


あれ?


頭がまだボーッとしていたが、耳を澄ませて会話を聞いたんだ。

……と言うより、声?


この声、聞いたことがある。

絶対、ある!


あたしは恐る恐るカーテンをそっと開けようとした。

開けると言うより、のぞくといったところだ。


揺れたカーテンに気づいたのか、そいつもこちらを見たんだ。