やさしい悪魔



電話を切るとアキがすかさず話しかけてきた。


「ソウタ君でしょ」

「…….あ、うん。はは」


さすがは鋭いな。


「ついに動いたか。向こうの姿見ながら電話するってどんな気持ちよ」

「も〜。またアキはそんな意地悪なこといって!」

「ふっ!ウソウソ。連絡先だけでも知ってるミチがうらやましいんだってば」

「ほんとかなぁ〜!」

「それよりミチ、顔赤いけど?」


急な展開に熱くなったんだろう。

あたしは「大丈夫」と答えて、自分の席へ戻った。


神様、どうよ?やればできるんだからあたしだって。

みんなにばれないようにニヤリとイタズラに笑う。