やさしい悪魔




「うん、どうした?」

「あ、えっと……」


まずい!

こうやって見てたら、話すことがまったく浮かばなくなっちゃった!


「ん?」


ねぇソウタ君。

もしも今、あたしが好きですって言ったらーー。


困る?嬉しい?

困った顔も見たいけど、喜んでる顔が見たいです。


本当はと言えば、全てを打ち明けたいくらい、この気持ちが大きいんだよなー……つって。



「なぁんだよ、チュウ。いたずら電話か?」



笑いながらソウタ君は頭をかいた。



「いえ!違います……。違くて」

「あぁなんだ。弁当の話か!そう言えば、待たせちゃったな。今日行く?」

「……あ、はい!」



やっぱりもう少しだけ
もう少しだけこの気持ちは隠していようかな。