やさしい悪魔




別に、こんなとこ見られたからって何かが変わるわけでもない。

ほら、逃げるからこんな事になる。

元カレを前にして、目でソウタ君を追ってるなんて。

後ろめたさにむしばまれる。



「ミチ、いこうよ!」



アキの声がはっきり聞こえていたのに。

あたしの足は根っこが生えてしまったかのように、まるで動かない。



あの頃はあんなに会いたかったのに。

誰よりも大好きだったけど、大嫌いにもなった。

だけどこんな一瞬で、思い出が蘇ってしまうなんて。



「ミチのお友達ですか?」



コースケはアキに話しかけた。