やさしい悪魔





何も言葉が出なかった。いや、掛けられる言葉もない。

相変わらずって……はっきり覚えてんじゃん。あたしの事。

人見知りな性格を。


「俺な、一週間前に札幌から帰ってきてん」

「……うん」

「家は一人暮らしなんやけど、今度遊びにきてな。ミチの料理、久しぶりに食いたいわ〜」


多分、ここでアキはこいつがコースケということに気づいた……と思う。



「……でさぁ、せんせーが俺にちょっかいだしてくんのよ」

「あはは!まじでチョーばか!」



コースケの後ろから、ソウタ君たちが通りかかろうとしていた。


まずい!

と、反射的にあたしはクッションを一枚はさむかのように、コースケに隠れるようにして立った。


もう。

タイミングが悪いにも程がある……。