やさしい悪魔




デート……。

なんていい響きなんだろう。

アキが「ソウタ君好きそう」とか言うから、試着もせず選んでしまったけど。

可愛いバックを持って、少しだけ高い靴をはいて背伸びをする。


早く肩を並べて歩ける日が来ればいいな、なんてぼんやり思っているんだ。



「お客様?」

「……あっ!はい。てゆーかそうじゃなくて……」


やばっ。普通に妄想してた!
これじゃただの危ない人じゃ……


「あんた、ただの危ない人じゃん」


キッとあたしを見てアキが言う。

あ、あたしのセリフを……!!



「はい。できましたよ!お買い上げありがとうございました!」



花が咲いたかのような笑顔で、笑いながら店員さんが紙袋をくれる。

ペコっと会釈をすると、誰よりも早くその店を出た。