やさしい悪魔





本当にどうしちゃったんだろ、あたし。

これじゃ元カレに振り回されてるただのバカ女じゃない。



……しっかりしろ!



窓を見つめながら、あたしはソウタ先輩のことを思い出していた。


……今日はどんな髪型してたのかな。

ピアスはつけてたのかな。


あんなに欠かせなかった笑顔の練習も、忘れてきちゃったよ。

もともと余裕なんてなかったけど、もっと苦しくなった。


ソウタ先輩……。



「おーい、こっち持ってくれよ!」



急に校庭から大きな声が聞こえてきた。