やさしい悪魔





うっわ。

ここ、あっちのベッドより全然柔らかいんですけど。


「気持ちいいでしょ、このベッド。俺専用だから」


心の声を読み取るかのように、ソウタ君は寝ながら話す。


「……はい。てか、俺専用って?」

「ここ、俺しか使えないところなの」


ま、じ、ですか?

嘘をついてるようには見えないけど、本気っぽく言ってる感じでもない。


でも確かにいつ来てもここのカーテンは閉まっていた……かも。


なんとなく、そんな気がしてきた。