廊下に出てみると既に遠くにいる江口さん

………俺に拒否権は無い訳ですか


小さくため息をつき、鞄を持ち直すと後ろから誰かに押された

「…………何だよ洸弥」

少し睨むように見るが、怯む様子もなく俺に変な顔を向けてきた


「おっ…お前、江口さんと仲良かったのか!!しかも……加賀美さんとも!」


……やっぱりな

「別に仲良いんじゃ…「んな訳あるかよ!だって夏休みの話してたじゃん!いいなー俺も連れてってー!!」


「それは赤点ないことが分かってから言えよな…」

「うっ…そのことだけは言わないで」
引き下がった洸弥を放置して俺は教室を出る



「おいおい!!紫乃ーっ置いてかないでよっ」


後から追いかけてきて、後ろから首に腕を回された
勢いで俺の体がぐらつく

「本当紫乃って華奢だよなぁ…ちゃんとメシ食ってんの?」