「楓さん、誰か、今この家で一番の責任者を呼んでもらえますか?
それと、この事、まだ内緒にしといてもらえますか?」
「わかりました...」
しばらくすると桐谷が入ってきた。
「あの、どうしても助けに行きたいのですが...今どんな状況ですか?
どんな過酷な状況でも受け止めるので教えてください」
「...今、凛様、嵐様、斎藤、嵐様の方の瑞貴が捕まったままです。とにかく瑠璃様を渡せとの事で、両当主様、それを望んでおりません。ですので次の向こうの出方を待っているところです」
「私が行けばみんなを助けてここに戻ってこれると思うんです。ダメですか?」
「それはできません。御当主様の命令は絶対です。申し訳ありません」
「そうですか...」
「申し訳ありません」
桐谷は頭を下げると出て行った。

