「初めまして。御影と申します。先代様には大変御好意にしていただきました」
(異様な部屋の造りだな)

「初めまして。鞍馬と申します。先々代様には大変御好意にしていただきました」
(変な造りだな。何だ?)

「初めまして、錦と申します。瑠璃が世話になっているようだね」

「はい、御影のうちにおります」

「返していただけんかね」

「瑠璃様はもう二十歳を超えていらっしゃいます。
瑠璃様は御自分の御意思で御影家におります。物ではありませんので、
返す返さないという話ではないと思いますが」

「御影の若いの。お前は瑠璃と恋仲のようじゃの」

「錦様、知っておられたのならお話は早いです。
御影凛と錦瑠璃は恋仲です。無理矢理御影家にいさせているわけではあらしません。
瑠璃様が御影家にいたいのであればその御意思を尊重するまでですわ」

「しかし返してもらわないと困る」

「女の子1人に何がそんなに困るのです?」

「あいつの力はわしの物だ。あれがあれば天下がとれる。
御影の若いの、お前もその口なのだろう」

「いいえ、そもそもその天下がとれるという力とやらを私達は知りません。それは何です?」

「嘘はいかんぞ。返せと申しておるのだ。今すぐにでも返せ」

「それはできねぇな。瑠璃ちゃんが自分で御影にいる事を選んでんねん」

「嵐、言葉が...」

「こんな頑固じじいなんか知らん」

「はぁ..錦様、納得されないようでしたら御影の家まで起こしくださればわかると思いますが」

「それが一番手っ取り早いと思うぜ」

「もぉえぇぇわいぃ!!こいつらを牢にいれてしまえ!!」