朝起きると凛はいなくて、どこにいるのだろうと思いながらシャワーを浴びに行く。
出てきてコーヒーを飲みながら、そういえば嵐もいないなぁ、と気づく。
2人でどこか行ったのかな?
私だけのけものかよー。ふくれつらをしたくなる。
ヨガでもしておこうかな。
そのうち帰ってくるだろう。
でもヨガが終わってもお昼を過ぎても夕方になっても帰ってこなかった。
「瑠璃様、お夕食のお支度ができました」
「ありがとうございます」
でも、ちっとも食は進まない。
「ごめんなさい...あんまり食欲がなくて...下げてもらっていいですか?」
「大丈夫ですか?お医者様をお呼びしましょうか?」
「そこまでは大丈夫です。ご心配をおかけして申し訳ありません」
「いいんですよ。私、楓と申します。何かあれば何でもお申し付けくださいね」
「ありがとうございます。少し休みますね」
食事も早々にして自分の部屋に引きあげる。
襖一枚隔てた部屋は凛の部屋なのに凛はいない。嵐もいない。
ふと、テーブルの上に手紙を見つける。
”錦 瑠璃様へ”と書かれている。
裏には”御影 凛より”と書かれている。
何だか嫌な感じがする。

