キラキラと太陽の光を受けながらシャボン玉は空へ上がっていく。



「綺麗……」



同じシャボン玉なのに教室で見るより綺麗に見えるから不思議。


ぼーっとしたまま空を見上げていると学校から予礼のチャイムが鳴った。


や、やばい!!次の補習も噂の弓道部顧問だ!!


遅れたら今度は何発チョークを食らうのか……



「い、行かないと!!桜坂くんも早くしないと遅れるよ?」



あたふたと立ち上がり桜坂くんを振り返る。



「あー……俺はあとで行く」


「そう?」


「あぁ」



動く気のない桜坂くんを見て少し気になったけど、遅れるわけにもいかず……


あたしは先に教室に戻った。



ダッシュしたおかげかあたしが教室に飛び込んだとき、まだ先生は来ていなかった。



ふぅ……よかったよかった。


桜坂くん、大丈夫かな……



少ししてから先生が来て授業が始まった。



「ここー、重要だからメモしとけー」



コツコツと先生がチョークで黒板を叩いたところをメモする。


自慢じゃないけど意味はさっぱり分かってない。


受験、大丈夫かな……



「はぁ……」



さっきから授業に集中できないや……


ちらり、と斜め前にある桜坂くんの席を見る。



まだ来てない……


まさかあのまま倒れたりしてないよね?


熱中症、とか……


はっ!!


それとも手が急に痛くなって苦しんでるとか!?


そ、そうだとしたらどうしよう!?



悶々とそんなことを考えているとガラリ、という音が教室に響いた。


振り返るとそこには桜坂くんが立っていた。



「桜坂、遅刻だぞー」


「……スミマセン」



ぼ、棒読み……


つい笑いそうになるけどなんとか我慢する。



でもよかった……倒れたとかじゃなかったんだ。