走りながら後ろを振り向いたとき、すでに車は私とわずか数メートルしか離れてなかった。 ……フランスかあ。 私、唐揚げが好物なんだけど、フランスにも有るのかな。 私は空腹の上、全力疾走しているせいで、意識が朦朧としていた。 ついに車がフラフラの私の横に停車した。 車の中から私を見る冷たい瞳が見えた。 お父さん。 運転席には、お父さん付きの執事がついていて。 あー、あの人足めちゃくちゃ速いんだよなー。 その人が車のドアに手をかけるのが見えた。 私がもうダメだ、と思ったその時。