いったい何が暴露されるのかと、急に緊張した。

 びくびくする私をどこか愉しげに眺め、ぐんちゃんはこう切り出した。

「俺らのバイトしてたホストクラブ、寮があったんですよ。寮っつっても、まあ普通の賃貸マンションで、新人何人かで一室をシェアしてっていう感じの」

「……うん」

 それが?
 そこに透琉くんが女の子を連れ込んでたとか?

 うう、もしそうだったとしても、私と出会う前の話だ。
 気にしない、気にしないぞー!


「ホスト、俺はすぐクビんなったんすけど、透琉はあっという間にナンバー2。って聞いたら、妙に納得しません? アイツ、あの愛嬌だし、サービス精神旺盛だし、乗せられると乗っちゃう性格だし、見かけによらず負けず嫌いだし。あっという間に家賃稼いで、さらに貯えもできて、なのに、アイツ辞める気配なくて。うちに全然帰って来なくなって、店の寮に住むようになって……」

 透琉くんの意外な過去に耳を疑う。

 あっという間にナンバー2というのは、ぐんちゃんの言うとおり納得だけど。
 ホストのバイトは家賃を払うためであって、すぐに辞めたと聞いた。

「ああ、これはもうコンビ解散なんかなって、ちょっと覚悟したんすよね。芸人やってても家賃も払えなくて。ホストになった途端、きゃあきゃあ言われて大金稼げて。そら、そっちの方がいいっての分かるし。ハマっても仕方ないよなって。それがアイツの天職で、その道でトップ目指したいってんなら、認めてやろうって……思おうと思ったけど、やっぱ思えなかったですよね。大体、俺をお笑いの道に引きずりこんだのはアイツだし。上京して一緒に暮らそうって誘ったのもアイツですからね。それが何、勝手に道違えてんだよ、ふざけんなよって感じですよね」