土方「…池田屋で俺らは漸く買われて、申し分ない給金も頂いてるし、信頼も得たんだ…」
翔「……………………………………」
土方「近藤さんを大名にするのが俺の志だ」
翔「土方…」
土方「何だ」
翔「愛してる」
土方「は?」
翔「私は土方の為なら死ねる…
それはこれからも変わらない…でも…
私はあなたよりずっと前に死ぬ事になる…」
土方「お前何言って…!!!」
翔「私は今まで沢山の迷惑と心配をかけてきた。だから、これからは新選組の為に使う。始めに掲げた尊王攘夷として…」
土方「……………………………………」
翔「私は…山南さんと……
同じ思想です……」
土方「脱走は切腹だ!!!」
翔「知ってる…だから…きっと私も
山南さんと脱走して切腹するよ…
その時は…もう直ぐだから…」
土方「話になんねぇ!出てけっっ!!」
翔「…………失礼します」
襖を閉めると、書類やら何やら豪快にぶちまける音が聞こえた…
ゴメンナサイ…歳…近藤さんを元に戻せるのは歳だけだから…
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翔「山南さん…翔です」
山南「どうぞ…」
翔「具合どうですか?」
山南「あまり…良くないですね」
翔「山南さん…私はあなたと志が一緒です。独りで苦しまないで下さい。
尊王攘夷について、一緒に沢山話しましょうね…」
山南「…………翔…………」
翔「今…歳と喧嘩しちゃいました…もう私達は戻れないかもしれない…」
山南「私の為にそんな事しなくて良い…」
翔「え?あなたの為じゃないですよ?
この組には…始めの頃のように尊王攘夷を思想としている人達はたくさんいるんです。 なのに、脱退することも許されず
苦しんでる人がたくさんいるんです。
そんな人達を助けたいじゃないですか」
山南「………………翔……………………」
翔「歳と違う思想なのは本当に苦しい…
歳と一緒にいたい…でも無理みたいです…」
山南「愛しているんですね…」
翔「はい。一日中…歳で頭の中いっぱいですよ~…私は…歳と死ぬことを望んでいましたが…どうやら、ずっと早く死ぬようです」
山南「どう言うこと?」
翔「……賭けに出ようと思います」
山南「かけ?」
翔「はい。あなたと…もう一度…
新選組の在り方を伝え続けようと思います
それで歳に愛想つかれそうですけどね…」
悲しげに微笑む翔…
山南「まだ若いあなたが何故そんなに重い物を背負い込むんですか…」
翔「未来から来たから…ですかね…
そろそろ総司の薬の時間難で行きます
私も正直、凄く不安なんで、
助けて下さいね……… 失礼します」
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