「……でもさ、この事件、自殺にしちゃ、不自然らしいの。」




……不自然?




「社は、外から鍵が掛かってて、ガラスを壊すしか社から出ることは出来ないんだって。

でも、ガラスは一枚も割れてないし、首吊りしながら、胸にナイフを刺すなんて難しいでしょ?

それに、死にたかったなら首吊りだけでも死ねるから。」



確かに不自然だ。






彼女の言う通り、自殺したかったなら、首吊りをするだけで死ねるのに。



わざわざ死ぬためだけに、二重も苦しむ様な事はしないはず。





「ね、ねぇ…………。

そう言えば、最近学校で変な都市伝説なかったっけ…………………?」



そう、声からも震えている事が分かる声が聞こえた方へ目を向けると、先ほど吐き気を抑えていた女子生徒が震えていた。