「俺がここに来たのは約半年前。まあ、俺は自殺なんてしてねぇけど」

「半年前…か、あたしはその頃家族からのシカトに親友がいじめられていたことに気づいてた頃ね。」


彼は嫌味ったらしくあたしに“俺は自殺なんてしてねぇ”を強調した。


あたしは苦しかったし、さみしかった。

自分の居場所がなくて、悲しかった。

それだけ……なのに………………


「俺は何で死んだと思う?」

「顔もわからないから知るはずない」

「はぁ!?顔が見えねぇ!?眼球腐ってんの?!」


んなことしらねぇ……見えねぇし……


「じゃあさ、青紫 空夢(アオムラ スクム)

っつったらわかる?」

「えっ……あ、あの青紫空夢!?」


「そ、あの青紫空夢。俺がその青紫空夢。」


「相当なイケメンじゃん……」


青紫空夢は確かあたしと同い年のイケメン子役。

だったような気がする………。


「なんで青紫空夢がここにいるの?」

「あれ?しらねぇの?俺がここにいる理由」

んなことしらねぇよ…あたし、一人だったわけだしさ

「知るわけないじゃん。テレビ見ないし。」

「そーか、なら話が長くなりそうだ…」


「いえ、手短に、お願いしますね…?」


「んー、できる限りそうしよう。まあ、俺がここにいる理由は親友を追っかけて来た。」


「は?……い……?追っかけて……来た………?」


「そ、追っかけて来た。」


「意味が理解できない。」


「もうちょい詳しく話せば、俺の親友が死んだの。テレビでちょー有名なやつだけど……まじでしらねぇわけ?」



「まぁ、はい。見ないからね、テレビ。」


「名前だけ教えてやる。長月恋愛(ナガツキ レア)

「……また、有名な人が来ましたか……」

「まあ、今度は理解できる話だ。よく聞け」



と言うと、彼は語り始め、






あしはそれを理解するため懸命に聞いていた。