ようやく振り切ったところでお礼を言おうとしたとき


ふいに抱きしめられた。


「やばいわ、お前かわいいな・・・」



突如言われた言葉に首をかしげた。


「へ・・・今なんて言ったの・・・聞こえなかった!」


あたしはきこえていたけど


もっかい言ってよと頼んだ


「・・・一回でいいだろ・・・こういうのは・・・」


「わかった、ていうか、なんでここにいるってわかったの?」


「え、それはー・・・お前をつけてたから・・・?」



あたしはびくっとかたが跳ね上がった。


「ストーカーって・・・こういうことなのね・・・怖いわ・・・」



あたしは武者震いをして


彼の名前を聞こうと思って


しゃべりだした


「あなたの・・・その・・・名前なんて言うの?」


「俺?倉科攻生。まあよろしく。」