「このアバズレ!!!!!!糞女!!!!!」


母は男に押さえつけられながら、私にそう叫んだ。


訳がわからず更に混乱する。


「ガキの分際で人の男に手ぇだすなんてなに考えてんだ!!!!!!!!!!」


血走った母の目が合う。


「なに…言ってんの…?」


私がそういうと、母はまた言葉になっていない言葉を絶叫しながら喚いた。


意味が解らない。


人の男?誰の事?関岡先生?まさかそんな訳がない。



「部屋に鍵なんかつけやがって!!!見られないように鍵つけたんだろ!!!」


そう言われた瞬間、私は母がなにを言っているのかを少しだけ理解した。


母は、私と男が出来てると思い込んでいるのだ。


驚いて言い返す。


「何訳わかんないこと言ってんのよ!」


「嘘つくな!!!!!!全部知ってんだからな!!!!!!」


話にならない。


「大体何がどうなったらそういう風に見えるんだよ!!!」


私がそう怒鳴ると母は一瞬だけ黙り、今度は泣き叫びながら話し始めた。


要約すると、 母と男が事に及んでいる最中、男は間違って私の名前を言った。


驚いた母が問い詰めると、焦った男は体を少し触っただけで何もなかったと言い訳をした。


体を触ったという事はお前らデキてたのか!と母が男に殴りかかると、男はアイツが誘って来たんだと嘘をついた。


逆切れした男は、大体子供ができさえしなかったらお前みたいなババアと結婚なんてするかと、 お情けで一緒に居てやってるんだから、娘の私の体は報酬みたいなもんだと、母に言ったらしい。


頭がクラクラした。