「で、彼女っているの?」
興味津々のなっちゃんは、パスタを食べる手をとめて問いかけてくる。
その目はキラッキラだ。
「わかんない。そこまで聞けてない」
「えー聞いちゃいなよ! だって、絶対に小春は気に入られてるって!!」
「そんなことないよ」
あたしは彼女の考えを否定して、自分のゴハンに手をつけた。
ちょっとは話してくれるようになったけど……そんなこと聞けるわけないじゃん。
高瀬さんについて、あたしが知ってることっていえば。
大学3年生。
邦楽より洋楽が好き。
剣道が好き。
そのくらいだ。
恋愛初心者のあたしにしてみたら、よくここまで関われるようになったと自分で褒めてあげたいもんだよ。
「でもさー小春」
「ん?」
「高瀬さんが好きってことは否定しなくなったね?」
「え、あ……うん」
なっちゃんに言われて、そこはコクリと頷いた。
それを見た彼女はニヤニヤが止まらないようだ。
あたしをからかって何が面白いんだか。