久しぶりに気分良く帰れる放課後。
部活に行く隼世くんと恭平くんと別れて、一人で玄関に行く。
あれ?
あたしの靴箱ってここで合ってるよね?
ローファーがないです………。
嫌がらせとゆうヤツでしょうか………。
キョロキョロ周りを見ても、もちろん見付かるはずのないローファー。
これじゃあ、家に帰れないです!
「ねぇ。もしかして………この靴の持ち主?」
「へっ?あっ、あたしのローファー!そうです!どこにありましか?」
「そう……。ゴミ箱に入ってたの……。くだらないことする人もいるものねっ」
あたしのローファーを見付けてくれた女の子。
茶髪の巻き髪に、くりっとした目。
長いつけ睫毛と少し化粧が濃いけど、優しい女の子です……。
「あ、あの……名前は…?」
「やめてよ~。あたし大したことしてないもの。ただ、あなたの先輩よ」
「せ、先輩……ほんとにありがとうございました!」
「気にしないで?くだらないことする人達に負けちゃダメ」
「はい……」
彼女の強い眼差しにあたしは勇気が出ました。
名前も知らない先輩に助けてもらえたおかげで帰れる。
ほんとにローファー見付かってよかった……。

