【隼世side】



あり得ない………。


つか、こんなこと人生の汚点だろ。


俺が初めて女にフラれるなんて。


伊吹隼世は16年間生きてて初めて女にフラれたし、逃げられた。


くっそ~…………


あの女にぜってー好きって言わせてやる。



「いつもに増して不機嫌な顔してるね。だからフラれたんじゃない?」

「うっせーよバカ」

「俺、隼世よりバカじゃない!勉強できるし」

「だーまーれー」


隣の席に座るのは同じクラスで、同じサッカー部の糸瀬恭平(Itose Kyohei)。


染めた赤髪を自慢気に触ってる。


腹立つことにコイツはかなり頭いい。


「まず今の彼女どうにかしなきゃ。ほんとに好きなら別れれば?」

「めんどい」

「じゃあ、あの子を好きになる資格ないね」


別に今の彼女とはいつ別れてもいいし。


あの女が“付き合う”って言えば即別れた。