ペシッと頭叩いといた。
ムスッといじけた顔で俺の制服の裾をきゅっと掴む。
こんな茉璃もかわいくて……。
ピンクのラッピングをほどいて、中を見れば器用に作られたトリュフ。
一つ口に入れれば、少し苦くて甘い味が広がった。
「お前にしてはやるじゃん!普通にうまい」
「よかった~♪試作品で何回も失敗して、これがやっと成功したんです」
「苦労したんだなぁ~。……ありがとな」
「へへっ!どういたしまして」
照れくさそうに笑って、嬉しそうにしてる。
そんな茉璃の手を引いて、人通りの少ない昇降口に連れて来た。
状況を把握できてないポカンとした顔の茉璃に触れるだけのキス。
甘っ………。
「ほしかったんだろ?これ」
「っ………あ、甘いです……。チョコの味する…」
「なんならもっとする?ここなら人少ないし俺はいいけど」
「しません!きょ、教室帰る!」
照れてる茉璃に手を掴まれて、廊下を歩く。
天然でピュアって恐ろしい……。
消極的だって思ってたら、意外にも積極的だったりするし、予想外のこと言うから。
でも、そんなヤツと一緒にいたら飽きないんだよなぁ。

