俺は涼しい顔して、何個かチョコを受けとりながら女子の間を通る。


やっと玄関に着いて多勢の女子がいなくなってからは、チョコの山。


恭平と二人でチョコを抱えて教室に行く。


「こんなにチョコ食べたら俺、虫歯になっちゃうよ。また誰かに配ろっかな」

「知らないヤツからもらうチョコって食べられねぇわ……」

「あっ!茉璃ちゃん来てるよ!」


恭平が見る先には、茉璃が後ろに何か隠して廊下に立ってる。


俺がほしいのは茉璃のチョコだけ!



「隼世くん。あたし頑張ってチョコ作ったの!だけどあのチョコの山……」

「あぁ……あれは全然知らないヤツらからもらったチョコ。早く茉璃のくれよ」

「チョコあげないっ」

「は!?」

「あんなにもらってたらいいじゃん」


唇を尖らせてぷいっと俺から目を逸らす。


何拗ねてんの!?


知らないヤツらからもらったチョコの山で普通拗ねる?


茉璃ってけっこう隠れた嫉妬多かったりするヤツか……。