俺様不器用男子の甘い愛情




【隼世side】



2月14日。


普通のヤツらなら楽しむであろうこの日は、俺にとって最悪な日。


部活の朝練を終えて、恭平と二人で部活棟を出ると女子の行列。


中学の時よりも人数増してる!!



「恭平。お前が先に歩けよ」

「いやいや。朝練なのにガンガン長距離シュート決めた隼世が行くべきだよ」

「女子はみんな恭平のために来てんだよ。行ってやれ」

「隼世。俺が快く先を譲ってるんだから、そこは行くべきだよ♪」


恭平の笑顔が黒い!


一緒にいるからこそ分かる、恭平のドSオーラ。


これを断ったら確実に機嫌悪くなって、その先が恐ろしいな……。


「俺が先歩く。でも、来年はぜってー恭平だからな!」

「分かってるよ。俺はそこまで性格悪くないからね」



部活棟から玄関まで、そこから教室に戻ってもチョコ地獄のはず……。


俺が先を歩くと、女子達の好きです総攻撃!


「隼世くん!チョコ受け取って下さい!」

「あたしも!」

「恭平くーん!」



恭平は相変わらず笑顔を振り撒いてるらしく、女子の歓声が聞こえる。