このあと……あたしが口を付けたら間接キス………。
そう考えただけで一気に恥ずかしさがあたしを包む。
口を付けられないあたしを見て、隼世くんは意地悪に笑った。
「飲まないの?」
「飲むけど……ちゃんとあとで飲む!」
「そんなんで緊張してたら、いつまでたっても俺とキスできないだろー」
「も、もうキスされましたっ!」
「確かに。だったら尚更大丈夫じゃん!」
隼世くんは慣れてるのかもだけど、あたしは不慣れなんですー!!
ほんとはあたしだってもっと余裕のある女の子になりたいけど………
そんな時、隼世くんはあたしの手を引っ張って隣に座らせた。
そして、肩に手を回されて頭をくしゃっと撫でられる。
「俺は、不慣れなお前がかわいいって思って付き合ってるし……」
「へ……?かわいい?」
「かわいい。だから、慣れとか不慣れなとか気にすんな」
「………ありがとう、隼世くん」
「俺は、ただお前に拗ねられたらめんどくせーから!」
目を合わせて言ってくれれば、もっともっといいのに。
でも、そんなところに隼世くんの不器用な優しさ感じます。

