そんなところで、張本人の有阪が部室に入ってくのが見えた。
今すぐ仕返ししてやっからな。
「あ…有阪くん……」
「なぁ、茉璃。あんな男のどこがいいわけ?」
「へっ!?え、えっと……や、優しかったからその…」
「で、バカなお前はコロッと落ちたわけ?ふーん……ぜってー俺の方がいい」
聞こえるようにわざと言う。
有阪だって、多少は茉璃に気があったからタブらかしてたはず。
ついさっきまで、お前になついてた女が俺といるってどんな気分?
「茉璃。10秒黙って目閉じろ」
「め、目を閉じるの?こう?」
「そう。目開けんなよ?」
「うん……開けないよ」
ぎゅっと目を閉じてるアイツの長い睫毛。
寒さで少し赤くなってる頬。
それと、魅了する真っ赤な唇。
その唇に俺の唇を重ねた瞬間、ガチャっと部室の扉が開いた。
ビクッと体を揺らした茉璃の腰を抱き寄せて、とことん見せ付ける。

