やっぱり見付けた。
寒空の下、コートも着ない制服姿で丸まって泣いてる茉璃の小さな背中。
体育館裏………ここだと思った。
「何泣いてんだよ。お前の友達心配してたから帰るぞ」
「はっ、隼世くん!?」
「お前のせいで無駄な時間使った……。これで監督の説教決定だしよ」
「ご、ごめんなさい……」
顔を見ると、長い睫毛が濡れて目元は真っ赤。
どんだけ泣いたんだよ……。
なんで誰も頼んないで一人でいなくなってんだよ……
言いたいことは山程あるけど、この状況で言ったら傷えぐるだけだ。
アイツは目を擦って作り笑いで言った。
「あたしがバカだったねっ。隼世くんの言う通りだよ~……」
「はぁー……だからお前はバカなの。分かっただろ?」
「うっ……ほ、ほんとに……そうだよね……」
また涙を流して、無理して笑いながら立ち上がった。
ほんと、めんどくさいけど………
好きな子傷付けられて黙ってられるほど俺も大人じゃない。

