俺らを見付けた瞬間に、泣きそうな顔で駆け寄って来た。
なんか……いい話じゃないことは確実。
「どうしたの?玲菜ちゃん」
「糸瀬くんと、伊吹くんにお願いがあるの!」
「でもね、玲菜ちゃん。俺と隼世今から部活だから……」
「お願い!!茉璃がいなくなっちゃったから、茉璃探しに協力して!」
いなくなった!?
恭平は困った顔で俺を見た。
それもそうだ。
この部活サボった暁には、3時間の監督の説教と反省文5枚以上の刑だもんな。
「なぁ、玲菜ちゃん。アイツ家に帰ってるんじゃねぇの?」
「そんなこと絶対ない!放課後、茉璃とクレープ食べる約束してるから……。あの子バカ正直だから、約束破るなんて……」
泣きそうな顔で下を向いた。
確かにアイツはバカ正直だし、いつもいる玲菜ちゃんが一番分かってるはず。
「いいよ。探そっか。俺らが協力するから、玲菜ちゃん泣かないで?」
「う、うんっ……ほんとにありがとう!」
「練習よりも……こっちでいいよね、隼世?」
俺は頷いた。
ったく………だいたい想像つく。
アイツがなんでいなくなったか。

