ただ、ずっと茉璃を抱きしめてるだけで落ち着く。


「次の試合はいつなの?」

「次はー……来週の土曜。だから1週間普通に学校行くわ」

「よかった。……無理しない程度に頑張って下さいねっ」

「ん。頑張る」


お前からの頑張ってで、俺は倍に頑張れる。


そやって笑ってくれるだけでも十分なんだけどさ。


何もない静けさだけの空き教室の空間。


チャイム鳴った音したけど全く気にしない。



「隼世くん、隼世くん!何かしましょうか?」

「なんかしてくれんの?」

「さっき、癒せって言われたので癒やそうかなーと」

「ふーん………キスして」

「はい。え、キス?はい!?」


そんなびっくりした顔で見なくとも。


顔を真っ赤にして、どぎまぎしてるってモロ分かり。


遠慮がちに俺の目の前に正座して、小声でそっと呟いた。


「目……閉じて?」

「ん」


言われる通りに目を閉じる。