ほとんどの部員が帰ったグラウンドは気持ち悪いほど広く感じる。
残って練習してんのはスタメンのみ。
もちろん、茉璃の弟の璃玖も自主練メンバーの常連。
「ねぇ隼世ー」
「何ー?」
「卒業してもサッカー続ける?それとも辞める?」
「……分かんねぇ。でも全くサッカーしないのはつまんない」
「うんうん。俺もそう。だから、出来るだけ長くサッカーしたいな」
だから次の試合も負けたくないってことか。
一回でも試合に負けたら終わりだし、試合は出来ても上にはいけない。
俺だって………ずっとサッカーしたい。
「絶対優勝したいな~。最後ぐらいさっ!」
「俺も。ほんとに最後だな……」
「隼世とのサッカー意外と楽しかったよ。最初は腹立ったけど♪」
「なんでだよ!」
「イケメンで、サッカーうまいから。でも、バカって気付いたから腹立たなくなった!」
「なんだよそれー……」
機嫌良さそうな笑顔でボールを蹴りあげリフティング。
ま、恭平とのサッカーそこそこ楽しいからいいけど。

